黒コートの広範囲の色修正

こんにちわ、石田クリーニングの清本です。

昨日は、パーマ液?の脱色の色修正でした。

最近、どうしたことか 色修正の依頼が増えてきました。
簡単なものもあるのですが、
なかには どうしても修正が難しい商品もあるんですよ。

黒・紺・藍なんかは 最も色修正が難しい色です。

今日紹介する綿の黒色のコート。
前の下部分が全体的に色抜けしています。

通常ですと、これだけ広範囲の脱色の修正は 
まず引き受けないと思いますが・・・

『ネットで見て・・・』
と、言われて 
うれしくて つい引き受けてしまったんですよ(笑)

脱色部分です。
上半分は何ともない事より、紫外線による脱色かなあ?
と推測されます。

たたんだ状態で 長期間置いておかれたのでしょうか?

たたんで表面に出ているところだけ、
日光もしくは蛍光灯の光が当たり続けて
脱色してしまったのでしょう。

黒色と言っても、黒色にはいろんな黒色があるんです???

私の染み抜きの師匠、不入流の当主 高橋先生は 

『黒・白は色ではない!』

と 教えてくれました。

意味が分かりませんよね?
本当の黒は、光を全く反射しない状態です。
その逆が白なんですね。
光の反射の状態であって、色ではないということです。

また、青色にも いろんな青がありますよね?
青・藍・蒼・・・
同じアオでも 微妙に違うんです。

だから、色修正が難しいんです。
特に、広範囲のものは・・・

まず、通常の黒で左側を修正しました。
微妙に色合いが違うでしょう?
同じ黒でも 黒さが違うんです・・・
やっぱり黒は難しいなぁ~ さて、どうしたものか・・・

・・・結局2週間かかりました。
私の持っている ”染み抜きの引き出し”を全部開けて、
いろんな人に相談して、やっとココまで修正出来ました。
まだ完璧では有りませんが、85点といったところです。

その後さらに、3日間を費やして、最終の調整をしました。

ハイ! 出来上がり!
十分着用には問題ないくらいまでは、仕上がりましたよ。

いやぁ~ 疲れたぁ~
私の頭の中は ほぼ3週間、このコートのことでいっぱいでした。

今回は、修正代金を頂戴しました。
都合 3週間。職人(私)の手間賃を計算すると・・・
莫大な金額になってしまいます。

といって、それを全部お客様に請求は出来ませんよね。

ということで、修正料として 5000円だけ頂戴しました。

正直 割りに合わないです(泣)

今度このような修正の依頼があったら どうしようか?
引き受けるべきか? お断りするべきか?

正直 迷っている私です(笑)